未来のお金に代わる返済能力
お金を借りるのだから、当然返済を見越して借りる額に見合う収入や社会的立場が必要。
漠然とそう思っている方が多いでしょう。
実際その認識は間違いではありません。
しかし、お金を借りたい立場の人が全員そういった状態であるとは限りませんよね?
寧ろ、そうでないが故にお金に困っている…というほうが個人の借り入れに関しては状況としてリアルでしょう。
その為、それだけで判断していては借り入れ可能な人の条件が限定的すぎて、貸金業も銀行もお金を貸す相手が限られてきてしまいます。
それでは借りる側貸す側、双方にとって不都合です。
では、実際はどんなところを返済能力として見込まれ借り入れが円滑にできるのでしょうか?
それは属性と個人信用情報、主にこの二つによります。
ちなみに、一番初めに出てきた収入や社会的立場はこのうちの属性の一部になります。
返済能力=属性+信用情報
カードローン審査における属性のスコアリング
まずは、分かりやすく自分でも把握しやすい属性について説明します。属性とは金融取引の専門用語とされているものの、これはつまりその人自身の正確なプロフィールを意味します。
名前は何ですか?何歳ですか?住所や連絡先は?職業は何ですか?家族構成は? etc…
このような基本的な個人情報に、年収や所属企業の規模、勤続年数、ローン経験の有無、クレジットカードの所持経験など、借り入れに際してお金に関わる情報が集められたものです。
属性として問われる項目
- 年齢
- 家族構成
- 居住状態
- 職業・役職
- 勤続年数
- 年収
- 他社借り入れ件数
大体、どのカードローン審査でも精査される属性は上記の通りです。
これらの属性情報は、カードローン契約申し込み時の入力項目にあたります。
その為、少しでもカードローン審査通過率を上げようと、申し込み情報に虚偽の記載をしようと考える方もいるかもしれませんが、まず、嘘の情報でカードローン契約は出来ません。
各、消費者金融または銀行によってどこの部分を重点的に見ているかはローンプランによっても多少変わってくるので、どのような属性が良い!というのは一概に言えません。
ただし、属性スコアリングの時点で未成年や無職、生活保護受給者は必ず審査が通らないといえます。
というのは、自身に安定した収入という借り入れ契約の大前提と属性両方を満たしていないからです。
どこでも最重要項目とされている!とは言えませんが年収はわりとどこでも審査基準として重要な傾向にあります。
特に、消費者金融は総量規制の縛りがあるので特に利用者の年収についてはシビアといえます。
その為、年収の1/3の枠ぎりぎりの限度額での希望は通らないので、見合った額を希望することも大切です。
銀行は総量規制の対象外なのでこの限りではありませんが、同じく目安としている事もあります。
大体、年収が200万円以上あれば属性の年収がローン審査において足を引っ張ることはないでしょう。
安定した(ほぼ確定されている偶発的でない)収入があれば、学生(二十歳以上)、アルバイト・パート、契約社員でも事実上は借り入れが可能です。
専業主婦も配偶者の安定した収入が証明できれば、銀行での借り入れなら不可能ではありません。
属性で高評価される点は、どのくらい長く安定した収入、もしくは勤務をしているかということです。
正社員でもアルバイトでも勤続年数や出勤数によって評価が変わってきます。
これが企業や事業主になってくるとその会社や事業分野の人気や発展性によるものになったりします。
家族構成や居住状態が属性で問われるのは、収入による返済能力ではなく、所在不明になったり貸し倒れになったり、住宅ローンがあればそれに無理がないか。などを見るための項目です。
例えば、一人暮らしよりは親や子供と同居している方が、申告した住所から借主が勝手に居なくなってしまうリスクは低いでしょうし、家族が債務を肩代わりして返済してくれる可能性もあります。また、家族構成に対して持ち家であるのか、賃貸アパートなのかでも借主の金銭状況が推し量れるため、その様な項目が属性審査にはあるのです。
ただ、直接収入に関わるような属性程は審査に影響力はないといえます。
時に、自営業や個人事業主は属性的に不利になることが多いです。
業績によって収入が安定しない事があるのも一理ありますが、通常カードローンの場合は事業資金目的での借り入れは禁止していることが多いからです。
その為、通常カードローンで生活費補填などで借りたお金を事業資金い回してしまう可能性がないと言い切れない自営業や個人事業主は属性のスコアリングでは低評価になりがちです。
(*どこも事業者向けローンを通常カードローンとは別のローンプランで用意している消費者金融や銀行が多い)
属性は、ネットでシミュレーションすることも出来ます。ローンを申し込む前に不安がある方は一度自己採点をして、その結果に見合ったところを受けてみるといいと思います。
年収はカードローン審査の最重要事項ではない?
カードローン審査、属性において、勘違いしがちですが年収が良ければ絶対にローン審査に通るという事はありません。
ただし、属性で重要であるという年齢や勤続年数や職種などの情報は、申告した年収の裏付けにもなる情報です。
意外と審査に関係してくるのが、年齢です。特に60歳以上の高齢者は借り入れが難しいです。
そもそも、カードローンの貸付条件での年齢制限は最高でも満70歳までとなっていることが多く、それ以上の年齢となると民間の金融機関でカードローン契約をすることはまず出来ません。
また、既に退職して収入が年金だけの場合、絶対に借り入れが不可能ではありませんが、難しいといえます。
その為、年収に関わる仕事の情報も合わせると属性の中で収入が、やはりローン審査に一番関わってくるといえるでしょう。
昨今は、高額の融資希望でなければ、収入証明書の提出をしなくても契約可能なカードローンが多いですが、それなりの収入があるなら提出した方が良いでしょう。
収入証明書を提出することで、貸し付側は借入側の実際の返済能力がより正確に把握出来るわけですから、返済能力有り。とみなされるプラスの要素になります。
ところが、カードローン審査は属性だけではなく信用情報も関わってきます。
加えて、属性が審査基準を満たしていても、信用情報に問題がある場合はローン審査に通ることはないと思った方が良いです。
カードローン審査に通過するかどうかは、属性よりも信用情報によるところが大きいです。
ところが、借りられる金額は属性評価によって決まる面もあります。
年収が低いからという理由で審査に落ちてしまう事はあまりないですが、希望額が借りられない可能性は否めません。
その為、例えば銀行カードローンなどで高額の借り入れを希望する場合は、信用情報に問題がないのに加え属性評価も高い方が良いです。
また、収入額そのものも大事ですが、雇用形態や勤続年数なども属性スコアリングでは見られ、そのあたりも借入額に関係が深いといえます。
特に、雇用形態で正規雇用か非正規雇用かでは限度額に差が出やすいです。
カードローンでは収入の安定性が重要なので、非正雇用の方の場合、どうしても雇用形態的にその面で評価が低くなります。
勤続年数に関しても、アルバイト・パートとなると短期でやめてしまう方も少なくありませんから、属性として評価されない傾向になるのです。
逆に、正規雇用の方や公務員の方は雇用形態的に属性審査では有利なので、高額借り入れが出来る可能性があるといえます。
信用情報によって審査・融資は大きく左右される!?
もう一つの返済能力の基準として信用情報があります。
こちらは主に金融取引の経歴になります。
そして、実はカードローン審査では、属性よりもこの信用情報の方が、審査結果に大きく影響します。
信用情報は指定信用情報機関(消費者金融=JICC、クレジット・信販=CIC)と全国銀行個人信用情報センター(JBA)で管理されているもので、延滞や借入残高、金融事故の有無をこの情報で確認されます。
もちろん、情報機関に管理されているものだからといって勝手にみられるわけではなく、契約を申し込む際に借りる側が同意することによって貸付側はこの情報を審査の参考にすることが出来ます。
言わずもがな同意がなければ契約は進みませんから、自分で不利になると分かっている金融取引での問題があるからといって避けて通れるものではありません。
こちらも、借り入れ利用者に情報開示を求める権利があるので自分で確認することが出来ます。
しかし、属性と違い実際に自分の手元まで信用情報が来るのには手間を要します。
ただし、クレジットカードの使用状況に関してはオンライン上やメールで割と簡単に確認できます。
いくら前述した属性が返済の見込みとして良好であったとしても、信用情報に異動情報なる長期(一般的に3ヶ月以上)の延滞、債務整理や自己破産など貸付が完済されなかった経歴がある場合は、返済能力に欠けるとされ、余程のことがない限り借り入れが出来ることはないでしょう。
ちなみに、審査に落ちたという事実も時にはこの情報の傷となります。
そのため、審査に通るか不安だからといって、とりあえず色々なところを短期間(ひと月に数社など)で受けていくつかに落ちてしまったという状態は避けたほうがいいです。
それよりは無理なく借り入れが見込めるところを見極めてローンの申し込みをしましょう。
複数申し込みは与信評価を低下させる?
短期間にいくつも申し込みをすると、審査に落ちる落ちないの前に、申し込みブラックという状態になってしまう場合があります。
申し込みブラックは、一般的に1カ月以内に3社以上立て続けに申し込みをすると、信用情報の傷として記載されるといわれてます。
明確な何社以上の立て続けの借り入れ申し込みはダメ!というボーダーラインは定められていませんが、目安として1ヶ月以内に2社以上申し込むのはやめた方が良いです。
例え、早急に借り入れの必要があったとしても、複数申し込みをするとその事実が与信で足を引っ張ります。
また、複数申し込みの他にも、虚偽記載での申し込みやカードローン手続きの途中離脱なども申し込みブラックの要因になります。
その為、カードローン申し込みはなるべく借り先を絞って、正確な情報で申請手続きするようにしましょう。
申し込み情報に問題があると、信用情報から申し込み履歴が消えるまでの6カ月間、カードローン審査に不利な状態となってしまいます。
固定電話は返済能力に見込まれるのか?
昔のカードローン契約では、自宅や勤務先に固定電話がないと審査に不利、などと言われていました。
しかし、現代では自宅の固定電話に関しては、そこまで審査に影響を及ぼしません。
その理由としては、昨今は携帯電話・スマホの普及で大体の人がそれらで連絡を取り合うため、自宅に固定電話がない場合が多いからです。
そもそも、一日中家に居なければ固定電話の必要性はあまりありませんし、家に居ても片手間に通話ができる携帯・スマホの方が便利です。
つまり、固定電話を利用していない人や家庭が増えてきているため、固定電話がない方を低く評価してしまうと、金融機関としては貸付がしにくくなってしまいます。
固定電話の有無が審査に影響していたのは、本人や勤務先と確実に連絡が常時取れることの証明であったからです。
本人でなくても、昔は家族、主に主婦が家に在中していることが多かったため、自宅の固定電話は確実に連絡が取れる手段として見込まれていました。
ところが、昨今は共働きの家庭も多く、親とも別で位ている事も珍しくなく、自宅にかけても誰も電話に出ない事の方が多いはずです。
本人の連絡先としては、固定電話よりも今では携帯・スマホの方が一般的である為、固定電話の有無は審査でそこまで影響力を持たなくなったといえるでしょう。
また、昔は固定電話を引くには加入権を得るのに今よりも高い料金がかかった為、固定電話があることが返済能力を一部証明するようなところがありましたが、今はそうではありません。
ただし、固定電話があることは、以前ほど重視されなくなったものの、携帯電話につながらなかった際に他に連絡先があるという事で審査のうえで好印象ではあります。
勤務先には固定電話必須?
自宅の固定電話の有無は、現代では審査結果に大きく影響しませんから、わざわざ固定電話を引く必要はないでしょう。
しかし、勤務先への在籍確認の場合は、今のカードローン契約でも固定電話でないと難しいです。
特に、自営業・個人事業主の方は仕事場に固定電話があること前提で在籍確認を行わないと、なかなか借り入れが難しい場合があります。
自宅の固定電話設置に関する社会的な意識が変わってきたのに対し、勤務先の固定電話に関しては昔とほとんど変わりません。
それは世間一般的にも、ちゃんとした会社や企業には固定電話があるという認識が多いからでしょう。
カードローン審査では信用が重要ですから、世間一般的な認識として信用できるkどうかという判断によるところが、固定電話の有無に関しては顕著といえそうです。
カードローン審査では、申し込み時に申告された固定電話番号が本当に利用されている番号か確認されます。
その際、104の番号案内で電話回線の名義を名前と住所で確認するので、もし申し込み利用者が嘘をついている場合は確認が取れません。
104には電話帳に掲載されている番号しか登録されていませんが、登録をしていなくても実際に利用されている番号化はアナウンスによって知ることが出来ます。
その為、でたらめな番号を申し込み内容とした場合は、審査の際に不審に思われ足を引っ張るといえるでしょう。