地方銀行カードローンの疑問点を詳しく解説!

 

一般的には、地方銀行と第二地方銀行は一纏めに「地方銀行」と言われています。

 

ところが、実際には地方銀行は「地方銀行」と「第二地方銀行」の二区分があります。

 

この二つの何が違うかといえば、属している協会が違う事と、初めから銀行であったかそうでなかったかの違いが主に挙げられます。

 

地方銀行

 

全国地方銀行協会に属しており、多くは明治時代の国立銀行が初めの前身となっています。

 

その為、元から銀行として営業しており、歴史が第二地方銀行と比べると長く安定性があります。

 

(例)静岡銀行、千葉銀行、スルガ銀行、清水銀行、北海道銀行、西日本シティ銀行など

 

第二地方銀行

 

第二地方銀行協会に属しており、元は中小企業と主に取引をする相互銀行(または無尽会社)として営業していたところが多いです。

 

中には信用金庫から第二地方銀行になったものもあります。

 

(例)東京スター銀行、第三銀行、トマト銀行、関西アーバン銀行、北洋銀行など

 

 

地方銀行と第二地方銀行には厳密には以上のように違いがありますが、カードローン契約をするにあたってはそれほど差がありません。

 

強いて述べるなら、第二地方銀行の方が規模としては小さいので、貸し付け条件が地方銀行より劣る場合があるという事でしょう。

 

ただ、ものすごく金利や限度額の設定に違いがあるという事はなく、最高限度額が多少低かったり、審査に時間がかかったりするという程度です。

 

地方銀行カードローンにメリットはある?

 

メガバンクや大手消費者金融がカードローンを取り扱っているなかで、わざわざ地方銀行カードローンを利用するメリットはあるの?

 

そう思う方もいるかもしれませんが、まず地方銀行カードローンの金利はメガバンクのカードローンとほぼ変わらないところが多数あるので、消費者金融よりも低金利で借り入れが出来ます。

 

また、地域限定で営業している地方銀行などは、独自のカードローンサービスを提供していることが多いです。

 

例えば、利息キャッシュバックを期間限定で行っていたり、銀行の他の商品も利用していることで金利の引き下げをしている地方銀行は少なくありません。

 

ネットバンキング利用で全国からのカードローン申し込みに対応している地方銀行も昨今は多いです。

 

全国対応の地方銀行カードローン

  • 静岡銀行カードローン セレカ
  • トマト銀行カードローン キューリ
  • 北海道銀行カードローン ラピッド
  • 常陽銀行カードローン キャッシュピット

など

 

加えて、地方銀行がある地元で有名だったり人気の企業に勤めている場合は、下手にメガバンクのカードローンに申し込みをするよりも良い条件で借り入れが出来る可能性があります。

 

地方銀行は本店があったり営業範囲である地域に根差した銀行であるため、メガバンクとはカードローン審査の基準が多少変わってきます。

 

その為、メガバンクでは希望額に達しなかったものの、長く利用していた地方銀行のカードローンへ申し込んだら、十分な額が借りられた。という事例もあります。

 

ただし、それは与信審査が甘いという事ではなく、どちらかといえば属性審査をメガバンクよりも細かくみているためといえます。

 

というのは、どうしても営業規模や知名度で地方銀行はメガバンクに敵いませんから、多少貸付リスクがある顧客も取らざるを得ないからでしょう。

 

信用情報に重大な問題や返済滞納の履歴はないものの、属性が非正規雇用であったり、年収が低めであるという点でメガバンクでの審査通過が不安な方は地方銀行カードローンの利用がオススメできます。

 

提携ATMが手数料無料で使える

 

地方銀行カードローン契約後にあるメリットとしては、コンビニATMなどの提携ATMが手数料無料で利用できることが多いことが挙げられます。

 

というのは、地方銀行のATMは全国に展開しておらず、本店や支店が多くある地域のみにしか設置されていないからです。

 

その為、特に全国対応している地方銀行カードローンは、手数料無料で利用できる提携ATM多くあります。

 

ただし、全国対応の地方銀行カードローンではそのメリットが受けられることが多いですが、地域限定のカードローンの場合は微妙なところです。

 

もし、利用するのが地域限定型の地方銀行カードローンの場合は、借り入れ・返済はATMを利用しなくても済む方法でするのが良いでしょう。

 

地方銀行カードローンでも、振り込み融資や口座振替返済が大手銀行カードローンと同じように可能なので、その点の心配はいりません。

 

全国対応の地方銀行と地域限定どちらが良い?

 

地方銀行カードローンには、全国対応しているものと、特定地域に在住または勤務していないと利用できないものがあります。

 

ちなみに、地域限定営業の地方銀行カードローンは、全国対応しているもののようにネット申し込み出来ないかといえば、そんなことはありません。

 

例えば、関東方面限定でカードローン申し込みが可能な千葉銀行ちばぎんカードローンでは、WEB完結契約にも対応していたりします。

 

また、全国対応地方銀行に比べて地域限定カードローンは金利が0.2〜最高0.5%ほど低めの設定になっていることが多いです。

 

ただし、全国対応地方銀行は金利面は若干高く付くものの、初回融資は他金融機関口座でも即日融資対応してくれたり、提携ATM手数料が無料であるなどサービスが充実しています。

 

その為、一概に優劣はつけがたいですが、地域限定地方銀行カードローンの営業範囲内に自身が居て、口座があるなら金利面を優先して地域限定地方銀行カードローンを選択するのも良いでしょう。

 

残念ながらお目当ての地方銀行カードローンの営業範囲内でない場合は、不都合がなければ全国対応地方銀行カードローンも、メガバンクや消費者金融以外の借り先候補として検討してみてください。

 

貸し付けに積極的な地方銀行は?

 

地方銀行は大手銀行と比べて数が多いです。

 

全国展開で営業している地方銀行カードローンは限られてきますが、地域限定で営業しているところは沢山あります。

 

そんな地方銀行の中でも、カードローン貸し付けに積極的なところとそうでないところがあるのですが、なかなか普段その差は分かりにくいといえます。

 

ただ、そのような地方銀行の貸付に関して、金融雑誌の中で面白いデータを見つけたのでここで紹介します。

 

データは2017年3月末の者で、地方銀行の貸付残高の中でカードローンやキャッシングでの貸出金比率となっています。

 

貸出金比率とは、簡単に説明すると残高の中でも新たに貸付をした割合のことです。

 

その割合が多い地方銀行カードローンが10位まで上げられていました。

 

その地方銀行カードローンの残高と貸出金比率は以下の通りです。
(データは「地銀・第二地銀の銀行別個人ローン実績:貸出金比率ベスト10その他のローン」、『月刊消費者信用』2017年9月号p44より)

 

銀行

残高と貸出金率(単位/百万円:%)

スルガ銀行

866,728:26.6

東京スター銀行

239,894:14.5

武蔵野銀行

490,411:14.3

大正銀行

45,769:12.0

清水銀行

113,918:10.6

関西アーバン銀行

376,221:9.7

広島銀行

476,400:8.5

島根銀行

18,194:6.9

神奈川銀行

23,461:6.8

伊予銀行

271,122:6.7

 

地方銀行と差異に地方銀行が半々でベスト10位となっているところが興味深いです。

 

比率が高い地方銀行ほど、カードローンやクレジットキャッシングに対して積極的に貸付をしているといえるでしょう。

 

一番比率が高いスルガ銀行は、カードローン商品だけでも色々な商品展開をしていますから、それぞれを総計すると貸出金率が高くなるのでしょう。

 

二番目の東京スター銀行は、通常のカードローン、借り換え専用ローン、おまとめ専用ローンと使い道を分けたプラン展開をしており、借り換えに特化しているため融資率が残高に対して高い事が予想されます。

 

上記の地方銀行の中で、全国対応しているのはスルガ銀行・東京スター銀行・しみず銀行の3行です。

 

その他の地方銀行は地域限定の営業ですが、逆にだからこそ残高に対して貸出金率が高いのかもしれません。